「趣味:読書」ってそろそろ言ってもいいですか?

「本屋に行くことが好きなんです。気になる本を全部カゴに入れてたくさん買うのが楽しくてね、気がついたら10冊超えたりしてるの。」

 

 

高校生の時、講師の若い女の先生が話していた。

彼女は確か現代文の先生で、

アラサーくらいで、神は黒髪ストレートで、

眼鏡を掛けていた。

 

文章を読んでと頼まれて、読み進めると

「ふむふむ」と小声で言う先生で、私は先生のことを「ふむふむ先生」と勝手に呼んでいた。

 

 

本屋の話は、ふむふむ先生が授業中何気なく言ったことだった。

当時高校生の私にその言葉は全く響かず、

ただひたすらに目の前にある新しいスマートフォンだけに夢中だった。

 

 

けど何故かその言葉が20代になった今

何気なく思い出された。

 

 

海外生活の中で唯一日本からの忘れ物と言えば、

日本語ので書かれた小説だった。

 

普段全く小説なんて読まないくせに、

何故か日本語が恋しくなった。

 

一概に日本語を求めてるのではなく、

活字を求めていたのだ。

 

スマホでだって、日本語は読めるけど

その時はどうしても本に存在している日本語を求めていた。

 

 

日本で仕事を始めた今、週末の趣味の一つに

「お気に入りの本探し」が追加された。

 

頭をからっぽの状態にして、

本屋の世界に入り浸る。

 

人気作者の本、話題の本、シリーズ物の最新作

 

 

大抵の本は、

表紙のデザインで惹かれたり、

短いけどぎゅっとしているタイトルに気になったりする。

 

 

 

大人になった今、

初めて「ふむふむ先生」の話していたことが

やっと理解できた。

 

本屋に行くことが楽しい。

気になる本をどんどん買える余裕もできた。

 

同じ空間にいる人みんな

わくわくしながら選んでいるんだろうなぁ

 

なんて考えながら

今日も惹かれた2冊の小説を持って帰る。